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【密着取材】復帰までの道のり(1)「早い復帰をかなえたエキスパートたち」

  • 2016年02月09日(火) 18時01分

東京滞在2週間、リハビリと体作りをみっちり


 スワンSでの落馬から3カ月半。自分が思っていた以上に回復が早く、今週の土曜日から復帰することになった。

 こんなに長く休んだのは、ジョッキーになって以来初めてだったが、この間、いろいろな方と出会い、いろいろな治療やトレーニングに取り組み、本当に有意義な時間を過ごすことができた。今は携わってくれたすべての方に、感謝の気持ちでいっぱいだ。ファンからの応援コメントも力になった。本当にありがとう。

 幸いにも、自分はこれまで大きなケガが少なかったが、やはりこの職業にケガはつきもの。もちろん、ないに越したことはないが、そういった事態に直面したとき、病院選びをはじめ、どんな治療法をどのタイミングで行っていくのか、その選択や見極めがいかに大事かということを、この3カ月半で改めて実感した。

 今回は、そのすべてがマッチして順調に進んだ結果、当初より早い復帰が可能となったわけだが、実際、休養期間中にジョッキーがどんなことに取り組んでいるのか、ファンに知ってもらえる機会は少ない。だから、前倒しでの復帰をかなえてくれた治療やリハビリについて、可能な限り、ここに公開したいと思う。

 まず、落馬直後に運び込まれたのは、京都の医療センターだった。そこで脳のチェックを迅速かつ完璧にやってくれたおかげで、安心して患部の治療に移ることができた。落ち方にもよるが、やはり一番心配なのは脳。その不安をいち早く取り除いてくれた医療センターには本当に感謝している。

 その後、東京で整形外科医をしている友人に紹介してもらったのが、下鴨病院(京都)の整形外科医、森大祐(もり だいすけ)先生。いろいろな術式があるなか、森先生はエンドボタンという金属ボタンを用いた手術を10年以上続けられている外科医で、今現在、肩の左右差がまったくないのは、森先生に執刀してもらったことが大きかったように思う。

 下鴨病院では、理学療法士の小野志操先生にも大変お世話になった。術後は、鎖骨と肩甲骨を絶対に動かしてはいけないという状態で、当然肩は動かないようにしていたのだが、肩が動かせるようになった際にスムーズにリハビリに入れるよう、肩以外の筋肉を動かすマッサージを施してくれた。

 退院後は、温かいところへ移動した。もちろん、単なる休暇で行ったのではなく、森先生と妻の友人に紹介してもらった2人の理学療法士の治療を受けるためだ。それまでは、肘を曲げた状態でずっと固定されていたから、吊り具を外したところですぐには伸びない。だから、そこでは肘の回旋を促すリハビリを中心に行い、帰国後には肘はもちろん、肩を動かせるまでに回復した。聞いたところによると、気候が温かい地域にいたほうが自然治癒力が高まり、また、海に入っているだけでも傷の修復を促進するとか。実際、そこでの約3週間で傷もだいぶ治ったし、体調もグンと上向いたように思う。

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祐言実行とは
2013年にJRA賞最多勝利騎手に輝き、日本競馬界を牽引する福永祐一。まだまだ戦の途中ではあるが、有言実行を体現してきた彼には語り継ぐべきことがある。ジョッキー目線のレース回顧『ユーイチの眼』や『今月の喜怒哀楽』『ユーザー質問』など、盛りだくさんの内容をお届け。

1976年12月9日、滋賀県生まれ。1996年に北橋修二厩舎からデビュー。初日に2連勝を飾り、JRA賞最多勝利新人騎手に輝く。1999年、プリモディーネの桜花賞でGI初勝利。2005年、シーザリオで日米オークス優勝。2013年、JRA賞最多勝利騎手、最多賞金獲得騎手、初代MVJを獲得。2014年のドバイDFをジャスタウェイで優勝。

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