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クロフネサプライズの全妹パワーフレーズ

  • 2017年02月08日(水) 12時00分
≪3歳≫

エイシンクリック(牡 栗東・坂口正則 父ルーラーシップ、母エイシンサンサン)
 母エイシンサンサン(94年小倉3歳S-GIII、97年エリザベス女王杯-GI・3着)がこの馬を産んだのは22歳時。かなりの高齢出産なので割り引きは必要だが、4分の3姉にエーシンリターンズ(父キングカメハメハ/10年桜花賞-GI・3着)、半兄にエイシンテンリュー(父サンデーサイレンス/06年青葉賞-GII・3着)、エイシンニーザン(父フォーティナイナー/08年阪神スプリングジャンプ-JGII)がいるように活力ある牝系に属していて一発の魅力を感じる。父ルーラーシップは現3歳世代が初年度産駒で、昨年、ファーストシーズンサイアーチャンピオンに輝いた。現在、出走83頭中21頭が勝ち上がり、ダンビュライト(16年サウジアラビアロイヤルC-GIII・2着、17年きさらぎ賞-GIII・3着)、イブキ(16年新潟2歳S-GIII・3着)などが出ている。芝1800m以上で持ち味を発揮するタイプなので、本馬も長めの距離で素質を開花させそうだ。古馬になればさらに良くなるタイプだろう。

カスタディーヴァ(牝 美浦・田村康仁 父High Chaparral、母The Opera House)
 昨年暮れにデビューしたホワイトドラゴン(父Cowboy Cal)はマル外の白毛馬として話題になった。本馬もまったく同じマル外の白毛馬。母The Opera Houseも白毛馬で、名馬Might and Power(コックスプレートをレコード勝ちするなど豪G1を7勝)の4分の3同血にあたる良血。オーストラリアでデビューして2戦2勝の成績を挙げた。父High Chaparralは現役時代、英・愛ダービー(G1)、ブリーダーズCターフ(G1)2連覇など6つのG1を制した名馬。種牡馬としてはToronado(13年サセックスS-英G1、14年クイーンアンS-英G1)、Free Eagle(15年プリンスオブウェールズS-英G1)を出し、シャトル種牡馬として渡ったオセアニアでもSo You Think(豪英愛でG1を10勝)やIt's a Dundeel(シドニー三冠を含めてG1を6勝)といった大物を出している。本馬は「High Chaparral×Zabeel」なのでIt's a Dundeelと同じ組み合わせ。Sadler's Wells系だけにスピード面で苦戦する可能性はあるが、そうした面をクリアできれば上級クラスまで出世可能だろう。芝向きの中距離タイプ。

トラストスパイダー(牡 美浦・手塚貴久 父ディープインパクト、母ストーミーウェザー)
 母ストーミーウェザーは北米で4戦未勝利。その全弟にEl Nino(06年アムステルダムS-米G2・3着)がいる。本馬はニックスとして名高い「ディープインパクト×Storm Cat」の組み合わせ。エイシンヒカリ(16年イスパーン賞-仏G1、15年香港C-G1)、リアルスティール(16年ドバイターフ-G1)、キズナ(13年日本ダービー-GI)、アユサン(13年桜花賞-GI)、サトノアラジン(16年京王杯SC-GII、16年スワンS-GII)、ヒラボクディープ(13年青葉賞-GII)など多くの活躍馬を出して成功している。「ディープ×Storm Cat」で重要なのは、残り1/4の部分にHyperion-Alibhaiのようなブリティッシュトラッドの王道を添えること。本馬にはそれがない。しかし、母にNorthern Dancer 3×4があるのは好ましく、パワー型のスピードを伝えるフォーティナイナーが入るので、芝・ダート兼用のマイラーとして堅実に活躍しそうだ。

パワーフレーズ(牝 栗東・矢作芳人 父クロフネ、母アイアンブリッジ)
 13年チューリップ賞(GIII)を勝ったクロフネサプライズの全妹。2代母パイナップルスターはダンディコマンド(97年北九州記念-GIII)の全姉にあたる。「クロフネ×トニービン」の組み合わせは成功しており、全姉クロフネサプライズのほかにカレンチャン(12年高松宮記念-GI、11年スプリンターズS-GI)、フラムドパシオン(06年UAEダービー-G2・3着)、ダートムーア(13年エンプレス杯-JpnII・3着)、ポルトフィーノ(08年エルフィンS-OP)などコンスタントに良駒が誕生している。連対率20.5%、1走あたりの賞金額274万円は、クロフネ産駒全体の16.6%、150万円を大きく上回る。父クロフネはHyperion色の強い重厚な繁殖牝馬と相性がよく、母アイアンブリッジはまさにそうしたタイプなので配合的完成度は高い。全姉に迫る活躍を期待したい。

メッサーマイスター(牡 栗東・矢作芳人 父Bodemeister、母ヨナグッチ)
 母ヨナグッチはスピナウェイS(米G1・ダ7f)3着馬。アメリカでBodemeisterを受胎し、日本に輸入され本馬を出産した。父Bodemeisterはアーカンソーダービー(米G1・ダ9f)を9・1/2馬身差で圧勝した強豪で、米三冠のケンタッキーダービー(米G1)とプリークネスS(米G1)はアイルハヴアナザーの2着だった。故障によりプリークネスSを最後に引退したため、現役生活はわずか4ヵ月と短かった。現3歳世代が初年度産駒で、ホープフルS(米G1)2着のRoyal Copy、シャムS(米G3)2着のAmerican Anthemなどを出している。本馬はUnbridled≒Pentelicus 3×3という4分の3同血クロスを持っているので注目したい。ダート向きのマイラーだろう。

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68年生まれ。血統専門誌『週刊競馬通信』の編集長を務めたあと97年からフリー。現在は血統関係を中心に雑誌・ネットで執筆活動を展開中。 関連サイト:栗山求の血統BLOG

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