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ノヴェリスト産駒の理想的な配合馬ニシノベースマン

  • 2017年02月15日(水) 12時00分
≪2歳≫

ニシノベースマン(牡 栗東・森秀行 父ノヴェリスト、母ニシノマナムスメ)
 父ノヴェリストは現2歳世代が初年度となる新種牡馬。ドイツ血統のドイツ調教馬で、キングジョージ6世&クイーンエリザベスS(英G1・芝12f)を5馬身差でレコード勝ち(2分24秒60)するなど4ヵ国のG1を制覇した。父Monsunは遠くBlandfordにさかのぼる異色の系統で、ここ四半世紀ほどの間に急速に存在感を増してきたドイツ血統の中心的存在。Northern DancerやMr.ProspectorはもちろんNasrullahすら持たない。したがって、母Night LagoonがNorthern Dancer 4×3とはいえ異系色が強く、ノヴェリスト自身は頑健さ、成長力、スタミナに特長がある。本馬はニシノアモーレ(父コンデュイット/2戦1勝)の半弟で、母ニシノマナムスメはマイラーズC(GII)2着馬。2代母ニシノフラワーは桜花賞(GI)、スプリンターズS(GI)、阪神3歳牝馬S(GI)などを制した名牝で、快速馬ネロの伯母でもある。スピード豊かな牝系は父の重厚さに軽さを補う役目を果たしている。芝向きの中距離タイプ。

≪3歳≫

イルーシヴハピネス(牝 栗東・角居勝彦 父Frankel、母イルーシヴウェーヴ)
 父Frankelは英愛首位種牡馬8回の大種牡馬Galileoの最高傑作で、現役時代はイギリスのマイル路線を中心に走って14戦全勝(G1は10勝)の成績を残した。ワールドサラブレッドランキングでは史上最高の「140」というレーティングを獲得している。16年から走り始めた初年度産駒は好調で、ヨーロッパではQueen Kindly(16年ロウザーS-英G2)、Fair Eva(16年プリンセスマーガレットS-英G3)、Frankuus(16年コンデ賞-仏G3)、Toulifaut(16年オマール賞-仏G3)と4頭が重賞を勝っている。日本ではソウルスターリングが阪神ジュベナイルフィリーズ(GI)を制して2歳牝馬チャンピオンとなったほか、ミスエルテがファンタジーS(GIII)を勝った。本馬は馬名登録をされた7頭目のFrankel産駒となる。母イルーシヴウェーヴは仏1000ギニー(G1)など3つの重賞を制した名牝。ヨーロッパで重賞を勝ったFrankel産駒4頭のうち3頭はBlushing Groom-Rainbow Questのラインをクロスさせていたので、Rainbow Quest 4×3の本馬はヨーロッパ型の成功パターンには当てはまっている。550kgを超える巨漢牝馬なので仕上げは簡単ではないが、楽しみな素材であることは間違いない。芝・ダート兼用のマイラーだろう。

ファイトプラス(牡 栗東・本田優 父ディープブリランテ、母スーリア)
 母スーリアは現役時代に1勝。繁殖牝馬としては優れており、アイディンパワー(父ニューイングランド/13年東京盃-JpnII・5着、14年東京スプリント-JpnIII・4着)、プレスティージオ(父カジノドライヴ/現・準OP)、準OPまで出世したヴィクタープライム(父マイネルラヴ)などを産んでいる。本馬の父はディープブリランテ。現3歳世代が初年度産駒で、ディーパワンサ(16年阪神JF-GI・4着)、ナイトバナレット(17年ジュニアC-OP)、ジャストザマリン(17年フェアリーS-GIII・4着)、スズカゼ(OP)などコンスタントに活躍馬を送り出している。本馬はRiverman≒Mill Reef 4×4で好感の持てる配合。芝向きの中距離タイプだろう。

トライデントミノル(牡 美浦・中舘英二 父ディープスカイ、母アンジェラスキッス)
 全日本2歳優駿(JpnI)と兵庫ジュニアグランプリ(JpnII)を制したサウンドスカイの全弟。父ディープスカイはダーレーで5年間供用されたあと、2015年から浦河のイーストスタッドへ移籍。この年の種付け数はわずか8頭にまで激減したものの、現4歳世代から前出のサウンドスカイ、キョウエイギア(16年ジャパンダートダービー-JpnI)と2頭のG1馬を出し、ダート向きの種牡馬として再評価されている。サンデーサイレンスの孫世代の種牡馬で初めてGI馬を出したのは立派だ。本馬の2代母River FairyはHatoof(米芝牝馬チャンピオン)やセヴンスプリングス(仏G1を2勝)などと同じく「Irish River×Lyphard」という組み合わせで、デビュー3戦目にG1に挑戦する素質馬だったが、レース中に故障して引退した。これにGone Westを付けて誕生したのが母アンジェラスキッス。サセックスS(英G1)をレコードで快勝したDistant Viewに配合構成が酷似している。ポテンシャルの高い母にダート向きの父が結びついてGI馬サウンドスカイが誕生した。偉大な全兄の域に迫る競走馬になることを期待したい。

ポルタヴィオン(牡 美浦・尾関知人 父クロフネ、母アグネスショコラ)
 半兄ゴールデンチケット(父キングカメハメハ)は兵庫チャンピオンシップ(JpnII)でスーニを破って優勝したほか、毎日杯(GIII)2着、ジャパンダートダービー(JpnI)3着などの成績がある。もう1頭の半兄ロワジャルダン(父キングカメハメハ)はみやこS(GIII)の勝ち馬。全兄ショコラブランはダート短距離で準OPまで出世している。2代母スキーパラダイスはムーランドロンシャン賞(仏G1)、京王杯SC(GII)の勝ち馬。父クロフネは、質の高い繁殖牝馬との交配で無難に結果を出すタイプで、母の父がサンデーサイレンスなら信頼性が高い。母が18歳時の産駒だが、芝・ダート兼用のスプリンター〜マイラーとして手堅く活躍しそうだ。

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68年生まれ。血統専門誌『週刊競馬通信』の編集長を務めたあと97年からフリー。現在は血統関係を中心に雑誌・ネットで執筆活動を展開中。 関連サイト:栗山求の血統BLOG

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