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タフな競馬で強さが際立ったクリソライト/ダイオライト記念・船橋

  • 2017年03月16日(木) 18時00分

撮影:高橋 正和




相当タフなレースになった


 断然人気に支持されたクリソライトが2着のユーロビートに6馬身差をつけての3連覇。勝ちタイム2分37秒8は、このレースが中央との交流になってもっとも遅い勝ちタイム……というようなことは、最近何度か同じようなことを書いているような気がする。船橋だけでなく、どうもここ1、2年の南関東はどこも時計がかかる馬場になっているようだ。

 たとえば昨年との比較でも、ダイオライト記念当日には条件戦で同じような番組が組まれていたのだが、マイル以上のレースでは昨年より少なくとも2秒以上タイムがかかる馬場。それゆえ、相当タフなレースになった。

 ペースを握るのは、クリソライトか、マイネルバイカか、マイネルトゥランかというメンバーだったが、果たしてマイネルトゥランが一気にハナを奪い、マイネルバイカが2番手。クリソライトの武豊騎手はそれらの様子を見ながら3番手に控えた。

 ペースが落ち着いたところで中央4頭が前に固まり、離れた5番手にユーロビートが追走、そのうしろはバラバラで縦長の展開。道中は12秒台後半から13秒台前半のラップが続いた。時計のかかる馬場を考えると、これはなかなかに厳しいペース。しかしクリソライトはところどころで行きたがる素振りを見せ、鞍上が懸命に抑えるような場面があった。クリソライトが船橋コースを得意としていることもあるが、それだけ能力が抜けていたということ。3コーナーでマイネルトゥランの津村明秀騎手の手が懸命に動きはじめ、クリソライトがまったく楽な手応えで交わしていったところで勝負あった。

 他の中央馬がどんどん置かれていくところを、直線で単独2番手に押し上げたのがユーロビート。実績からすれば当然勝ちに行く競馬をしたはずだが、先行した中央4頭のペースに惑わされず、自分のペースを守ってきっちり2着を確保したところは吉原寛人騎手の好騎乗だった。勝ったクリソライトからは6馬身差。昨年は着順こそ3着だったものの、勝ったクリソライトからの着差は6馬身半。この着差が、クリソライトとユーロビートの能力差と考えてよさそうだ。

 ユーロビートからさらに5馬身離れての3着に入ったのがウマノジョー。1周目のスタンド前では、逃げたマイネルトゥランから5番手のユーロビートまでが8馬身ほどの差、9番手のウマノジョーはさらに7、8馬身ほども離れた位置取りだった。そのウマノジョーが、上り3F41秒0でもメンバー中最速という脚を使って3着を確保した。前走金盃でも4コーナー10番手から追い込んでユーロビートの2着と健闘していたが、今回も無理に勝ちに行くことはせず、自分の競馬に徹して持てる能力を発揮した結果といえるだろう。

 レースの上り3Fが41秒4で、勝ったクリソライトの上りは41秒3。勝ちタイムの2分37秒8を前後半の1200mずつで分けてみると、前半が1分16秒3に対して後半は1分21秒5。極端に前半に偏ったタイムが、タフな馬場でいかに流れが厳しかったかを物語っている。

 中央勢だけで見ると、グレナディアーズはクリソライトから15馬身ほども差が開いての4着で、マイネルバイカが6着、逃げたマイネルトゥランは中央勢では最下位の7着に沈んだ。クリソライト以外の3頭にとっては、あまり経験したことのないタフな馬場だった上に、みずから厳しいペースを演出したことで、能力差以上に着差が大きく開いてしまう結果となった。

 それゆえ今回の2着以下の着順・着差はそのまま力関係を示しているわけではなく、仮に能力断然のクリソライトが抜けて同じメンバーでレースをすれば、まったく違った結果になると思われる。それが競馬の難しいところであり、面白いところでもあるのだが。

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登録済

1964年生まれ。グリーンチャンネル『地・中・海ケイバモード』解説。NAR公式サイト『ウェブハロン』、『優駿』、『週刊競馬ブック』等で記事を執筆。ドバイ、ブリーダーズC、シンガポール、香港などの国際レースにも毎年足を運ぶ。

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