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58kgでもマイペースの逃げならケイティブレイブ/名古屋大賞典・名古屋

  • 2017年03月31日(金) 18時00分


相当にスタミナのある強い競馬


 マイペースで逃げられたときのケイティブレイブは強い、というのをあらためて確認したレースだった。

 好スタートを切った3頭のうちカツゲキキトキトがすぐに控え、一旦は外のドリームキラリが前に出る場面があったが、3、4コーナーを回るところで内のケイティブレイブがハナを取りきった。やや離れた3番手がカツゲキキトキトで、前2頭以外の中央3頭は、さらに離れて中団でひと固まり。

 1000m通過が62秒9(推定)は、このレースとしてはハイペース。近年の名古屋大賞典では、2011年にエスポワールシチーが2番手から早め先頭でコースレコード(1分58秒4)での圧勝となったときの61秒7(推定)に次いで速いペース。そのエスポワールシチーのときが時計の出やすい不良馬場だったのに対して、今回は乾いた良馬場。その馬場差を考えると、エスポワールシチーのときと同じくらい厳しいペースだったと言ってもいいかもしれない。それゆえの縦長で、中央3頭+トロヴァオは離れたところからの追走となった。

 レースが動いたのは向正面。中団にいたピオネロが一気に2番手まで押し上げた。しかしケイティブレイブは、そのピオネロに並びかけることを許さず、セーフティリードを保ったまま逃げ切った。

 レースの上り(=逃げ切ったケイティブレイブの上り)4Fが53秒3で、3Fは40秒5。バタバタになったというほどではないものの、レースの序盤がハイペースで流れたぶん、上りのかかる競馬になった。ケイティブレイブは、オールブラッシュ以外の馬より斤量が4kg重く、しかも初めて背負う58kgで押し切ったということでは、相当にスタミナのある強い競馬だった。

 ケイティブレイブはこれで重賞4勝目だが、いずれもコーナーを6回まわる地方の小回りコース。地方馬との実力差がはっきりしたそうした舞台で、バラけるような展開になったときに強い競馬をする。フェブラリーSはともかく、川崎記念で直線伸びず5着に沈んだのは、流れが落ち着いたスタンド前でミツバが一気に仕掛け、ペースのアップダウンが激しくなってスタミナを消耗したと考えられる。中央のダートやGI/JpnIとなると流れが厳しくなるだけに、今後も地方のJpnIIもしくはJpnIIIの中長距離戦ではタイトルを積み重ねていけそうだ。

 向正面からロングスパートで2着に入ったピオネロも健闘といえるが、それ以上にうまく乗ったのがカツゲキキトキトの大畑雅章騎手。ピオネロが仕掛けてきたところで、逃げていたケイティブレイブは当然のことながら並びかけられないようにペースアップしたわけだが、大畑騎手は仕掛けを遅らせて末脚を温存した。それが3コーナー過ぎで位置取りを5番手まで下げたところ。直線が194mと短い名古屋コースでは3コーナー手前からが勝負どころとなるが、大畑騎手の手が動き出したのは3、4コーナーの中間から。勝ちを意識するのであればそのタイミングでは遅いが、ケイティブレイブを目掛けて仕掛けて行った馬たちの何頭かでもゴール前でとらえられればと考えたのだろう。上り3Fの数字には現れないものの、直線の200m弱でもっとも鋭い脚を使ったのがカツゲキキトキトだった。

 ピオネロを追いかける形で進出したモルトベーネは直線で脚が上がって4着。59kgを背負ったオールブラッシュは勝ち馬から10馬身以上離れての5着。ケイティブレイブが58kgでこれだけ走るなら、59kgを背負ってももう少し走っていいような気もするが、極端に斤量を背負わされる地方のJpnIIIや中央のダートでは今後も苦戦が予想され、レースの選択が難しくなりそうだ。

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登録済

1964年生まれ。グリーンチャンネル『地・中・海ケイバモード』解説。NAR公式サイト『ウェブハロン』、『優駿』、『週刊競馬ブック』等で記事を執筆。ドバイ、ブリーダーズC、シンガポール、香港などの国際レースにも毎年足を運ぶ。

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