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netkeibaの掲示板から始まった物語(2)―ファンが切り拓いた明るい未来

  • 2017年05月09日(火) 18時00分
第二のストーリー

▲Mさんの投稿に突き動かされたある競馬ファンの行動がタカラハニーの運命を大きく変えることに


(前回のつづき)

タカラハニーを救った1本の電話


 関西在住のKさんは、最初タカラハニーの存在を知らなかった。競馬歴も浅かったために、引退後の馬についても詳しいわけではなかった。それでもKさんは、掲示板でのやり取りを見ながら、タカラハニーを生かす道はないのかと思案し、引退馬協会に電話をかける。電話口の沼田恭子代表に、初めは馬名は伏せて自らの考えを伝えた。

 沼田代表には思い当たる馬がいたのだろう。Kさんに馬の名前を訊ねた。Kさんがタカラハニーの名を告げると、中国地方在住のMさんと連絡を取るようにとアドバイスした。既にMさんは、引退馬協会に相談を持ち掛けていたのだった。こうしてMさんとKさん、関東在住のYさんが繋り、協力体制ができた。資金面にも目途がつき、馬主や畜産牧場側との交渉を重ねた末に、買い取りが決定し、タカラハニーの前に明るい未来が開けたのだった。

 預託先は、愛知県半田市にあるナリタポニーランチに決まり、2016年5月17日に畜産牧場から居を移した。無事引き取られた旨はnetkeibaの掲示板でも報告され、安堵の声が広がった。レース中に負った骨折は、獣医師の診察の結果、全治3か月。重篤なものではなく、時間がたてば治癒するとの診断だった。

 5月25日には、関係者がタカラハニーのもとに集まり、今後について話し合いが持たれた。そこでは引退馬協会が行う事業の1つ、引退馬ネットのサポートホースに申請して、里親を募るという支援の方向が決まり、タカラハニーの近況は「Honey's Circle(ハニーズサークル)」という名称で、ブログやFacebookで発信されることとなった。

 まだブログやFacebookでは、タカラハニーの様子が折に触れてアップされ、紹介されたナリタポニーランチの成田夫妻の長女うーちゃんとのツーショットは、微笑ましく、特に見る人の気持ちを癒していたようだ。

第二のストーリー

▲ポニーのキュータに跨る成田家の長女うーちゃん


 引退馬ネットのサポートホースの申請も受理され、ハニーズサークルとして里親も募り始めた。

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北海道旭川市出身。少女マンガ「ロリィの青春」で乗馬に憧れ、テンポイント骨折のニュースを偶然目にして競馬の世界に引き込まれる。大学卒業後、流転の末に1998年優駿エッセイ賞で次席に入賞。これを機にライター業に転身。以来スポーツ紙、競馬雑誌、クラブ法人会報誌等で執筆。netkeiba.comでは、美浦トレセンニュース等を担当。念願叶って以前から関心があった引退馬の余生について、当コラムで連載中。

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