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ギニョールとイキートス、よりチャンスがあるのは――ドイツ人記者ダニエル・デリウス氏特別寄稿

  • 2017年11月22日(水) 18時01分
ダニエル・デリウス氏

▲Turf-Times編集長のダニエル・デリウス氏(提供:Galoppfoto.de)

今年のジャパンCには、昨年のジャパンCで0秒6差の7着と健闘したイキートス。そしてそのイキートスに連勝中のギニョールと、2頭の強豪ドイツ馬が参戦予定。イキートスは昨年以上の結果を残せるのか?G1を連勝しているギニョールの実力とは?「ドイツ競馬のことはドイツ人記者に聞け!」をテーマに、今回netkeibaでは、週刊ニュースレター・Turf-Times編集長の、ダニエル・デリウス氏に見解を伺った。


過去も現在も、ドイツ人にとってジャパンCは特別な存在


 1995年11月26日、5歳(旧表記6歳)馬のランドが東京でジャパンCを優勝したとき、それは間違いなくドイツのサラブレッド生産史において輝ける瞬間だった。ランドがドイツ競馬史上最高レベルの一頭であることに疑問の余地はなく、極東へ臨む前にも凱旋門賞4着という好成績を残していた。しかし、ジャパンCは当時からすでに世界の主要レースのなかでも、まったく別カテゴリーといえるものであった。

 ランドの調教師はドイツの最多勝記録を持つH.イェンツで、当時75歳だった彼はこのとき、マイスターの手腕を発揮していた。ジャパンCの2日前、彼はランドに東京の芝2400mを完走する調教を課したのである。これは明らかに異例だったが、イェンツは馬の状態にどこか納得していなかったのだ。そして、大抵そうであるように、彼のこの判断は正しかった。ランドは南アフリカの騎手M.ロバーツを背に、トップクラスの馬たちを押さえ、好時計でレースを制したのである。

ランド

▲ヒシアマゾンらを下し、1995年のジャパンCを制したランド(撮影:高橋正和、(c)netkeiba.com)


 ジャパンCは過去も現在も、ドイツ人の目にはつねに特別な存在だ。すでに1982年の第2回開催には、パゲーノがドイツから参戦しており、それ以降も多くの馬が中央ヨーロッパから極東の地へと向かい、時に好走し、時に敢えない敗北を喫してきた。この間、ドバイは言うまでもなく香港も選択肢に加わったが、それでもドイツの馬たちは日本へ遠征し続けた。最近は、勝ち負けのチャンスが乏しかったにもかかわらずである。

 日本競馬のレベルが近年、大きく上昇したことに異論の余地はない。外国馬によるジャパンC優勝が12年前に遡る事実からも、それは強調される。日本のサラブレッド生産の質は、地元生産者の莫大な財政投資により、非常に向上している。ヨーロッパ、とくにドイツでは高額な取引がされており、例えば2012〜2015年のディアナ賞(独オークス)優勝馬のうち、サロミナ、フィオドラ、ターフドンナの3頭が、日本の牧場の繁殖馬となっている。これはドイツの馬産界にとって賞賛されるべきことであるが、同時に当地の馬産の弱体化にもつながる。しかし日本からのオファーは、ドイツの生産者にとって断るのが難しいほど高額なのである。

サロミナ

▲サロミナの子・サロニカは今年のエルフィンSを制した (c)netkeiba.com


 ドイツのサラブレッド生産の弱体化は、数字からも一目瞭然だ。ドイツの年間生産頭数は

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