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一長一短で上位はかなり拮抗!/マイルCS

  • 2017年11月15日(水) 18時00分

■マイルCS(G1・京都芝1600m外)フルゲート18頭/登録22頭


【特注データ】〜レースデータより〜


 詳しくはレースデータの項目で述べるが、マイルCSは5番人気以内馬[8-8-6-28]と、基本的に人気サイドが強いレース。前走10着以下や、前走着差1.0秒以上負けから巻き返したケースは、過去10年で一度もない。人気薄をふるいにかける場合は、このあたりをしっかり意識しておくべきだろう。

 そして、注目なのが5番人気以内馬に限定した枠番別成績である。全体で見ると枠番による有利・不利はほとんどないのだが、ここに限れば明らかに内枠有利で、内枠である馬番1〜6番の勝率はなんと30%以上。連対率もトップで、単勝適正回収値は186.1という猛烈な高さとなった。平均人気が外枠である馬番13〜18番のほうが格段に高いのを考えると、これはなおさら優秀な内容といえる。

 また、先週のエリザベス女王杯が、内枠から先行した組のワンツー決着だったのもポイントだ。後方から追い上げられたのは、地力で勝るミッキークイーンだけ。スローで流れたとはいえ、完全な前残りである。芝で行われたその他のレース結果からも、前有利なバイアスにある印象。Cコース替わりで、この傾向がさらに加速する可能性もある。

【コース総論】京都芝1600m外 Cコース使用

・コースの要所!

★1番人気を筆頭に人気サイドが強いコース。穴を1着で狙うのは厳しいか。
★枠番は内枠有利の傾向。回収率や枠番値も内枠が抜けて高くプラス評価。
★先行勢優勢で、逃げ切りも意外に多いコース。軸足は先行勢に置きたい。





 2コーナー奥のポケットから発走し、バックストレッチを長く走ってから最初のコーナーに進入するという、展開的な紛れが起きづらいコース形態。しかも外回りで、最後の直線が約400mあるのだから、なおさらである。地力で勝る馬が能力をキッチリ発揮できるコースであるのは間違いなく、人気サイドが圧倒的に強いという人気別成績データも、それを裏付けている。穴馬を1着で狙うのは、けっこう難しいコースといえる。

 枠番データからは、内枠有利という結論に。内枠である馬番1〜6番と外枠である馬番13〜18番とでは、連対率に5%以上もの開きがある。回収率ベースの数値も内枠がもっとも優秀で、プラスに評価すべきであるのは明白。中枠と外枠ではそう成績差がないが、枠番値に0.5もの差があるのを考えると、やはり外枠は割引だろう。

 脚質は先行優勢で、逃げ馬の好成績が目立っている。最後の直線が長いので中団からの差しも相応に届くが、[16-22-25-275]と勝ちきれないケースが多く、最速上がり馬の成績も「並」程度。4コーナー13番手以下から1着まで突き抜けた例は、たったの2回しかない。人気馬も人気薄も、先行勢を中心に考えるべきだ。

【レース総論】マイルCS(G1) 過去10年

・レースの要所!

★1番人気でも3番人気以内でもなく「5番人気以内」が非常に強いレース。
★枠番による成績差がなさそうにみえる点に注意。実際はやはり内枠有利。
★G1でもありコースデータよりは格段に差し優勢。4〜5歳の強さも目立つ。
★前走1着馬と前走最速上がりは買い。関西騎手への乗り替わりも狙い目。








 レースの平均配当は、単勝1238円、馬連4830円、3連複1万7776円。馬連平均や3連複平均からすると単勝平均が高い印象だが、その要因となっているのが「人気サイド全体の強さ」と「中穴の活躍」である。

 特注データの項目でも述べているが、上位人気馬は全体的に堅調で、なかでも目立っているのが4〜6番人気の好成績。[4-1-4-21]で勝率16.7%、単勝適正回収値141.1と、その期待値は非常に高い。7番人気以下馬も[2-2-3-112]とソコソコ馬券に絡んではいるが、激走する馬をピンポイントで絞り込むのはかなり難しそう。何か強力な買い材料でもないかぎり、軸は人気サイドから選ぶべきだ。

 次に枠番別データだが、いっけん成績差がなさそうに見えるのが大きな罠。上位人気に限定した成績になると圧倒的に内枠が強くなるのは、特注データの項目で解説した通りである。平均人気の差を考えるともの足りないのが、中枠である馬番7〜12番の成績。連対率こそ15.0%と高いが、回収率や枠番値の低さを考えると、手を出しづらい面がある。

 脚質面は、コースデータよりも差し優勢。道中の流れが厳しくなるG1なので当然といえば当然だが、勝率だけでなく単勝適正回収値も136.5と非常に高いのは、やはり評価に値する。後方からの追い込んだ馬もそれなりには上位へと食い込んでおり、2013年のトーセンラーのように見事な直線一気を決めた馬もいる。差し優勢と考えていいだろう。

 かなり重視したいのが年齢別成績で、4〜5歳とそれ以外では非常に大きな成績差が出ている。3歳馬は[0-0-1-30]とサッパリなので、若い馬が強いというわけではない点に注意。7歳以上の高齢馬も[1-0-0-19]とイマイチで、2009年のカンパニー(1着)以外はすべて4着以下。今年も4〜5歳馬が中心となりそうだ。

 騎手関連データでは、G1では珍しく「乗り替わりがマイナス材料ではない」という点を、まず把握しておきたい。好成績が目立つのは「外国人騎手の継続騎乗」と「関西所属騎手への乗り替わり」の2パターンで、外国人騎手への乗り替わりは[1-1-3-30]で複勝率14.3%と、意外なほど低調な成績。人気を集めるであろうエアスピネルやレッドファルクスの扱いは、けっこう難しかったりする。

 最後に、買いパターンをいくつか紹介しよう。差し優勢のレースでもあり、前走で最速上がりをマークしていた馬は複勝率42.1%と高信頼度。あとは、前走で1着に好走していた馬も、素直に信頼できる。そして、中穴が強いレースであるのは前述の通りだが、具体的には単勝オッズ7.0〜14.9倍のゾーンが狙い目。締め切り直前のオッズをしっかり確認した上で、馬券を買うようにしたい。

【馬場&血統総論】


・現在の馬場
 B→Cコース替わり。前有利の傾向が加速する可能性アリなので要注意。

・天候予測
 週末にかけて天候が崩れる見込み。土日の降雨量次第では道悪もある。

・注目血統
 アドマイヤムーン産駒◎、ディープインパクト産駒○

 今週からB→Cコース替わりとなる京都の芝コース。先週は全体的に前が残っており、例年よりも少し時計がかかっている印象を受けた。Cコース替わりで一気に差し優勢のバイアスになるとは思えず、逆に前有利の傾向が加速する可能性のほうが高そう。天候が崩れて稍重〜重あたりでの競馬になると、なおさら差しは決まりづらい。

 血統面では、アドマイヤムーン産駒とディープインパクト産駒をプラスに評価。ちょっと驚いたのがアドマイヤムーン産駒で、勝率、連対率、複勝率のいずれもディープインパクト産駒を圧倒している。回収率ベースの数値も優秀で、コース適性の高さは疑いようもなし。人気薄となりそうなブラックムーンとムーンクレストだが、ヒモで押さえておいて損はなさそうだ。

★出走馬・総論×各論

 ネオリアリズムの回避は残念だが、マイル路線の強豪によるフルゲートでの激戦が期待できそうな、今年のマイルCS。イスラボニータ、レッドファルクス、サトノアラジンといったG1馬に、前哨戦を制して勢いに乗るエアスピネルや、破竹の4連勝でスワンSを制したサングレーザーなど、いいタレントが揃っている。

 しかし、データ的には一長一短。「文句なしに買い」といえる馬は1頭も見当たらず、かなりの混戦模様だ。また、ほとんどの馬の前走が猛烈な泥んこ馬場であったのも、少なからず影響しそう。枠番による影響が大きいレースであるのも前述の通りで、現時点で正確な分析を行うのはなかなか難しいものがある。

 ……と前置きした上で各論に。トップ評価は、3歳馬のサングレーザーである。この「3歳馬」というのが大きなマイナスではあるのだが、それを補ってあまりあるプラス材料の多さで、中穴人気になりそうなのも魅力的。鞍上が福永騎手にスイッチする予定であるのも、このレースについてはプラスに働く。ここは、非常に面白い一戦になりそうだ。

 二番手評価にイスラボニータ。減点材料はまったくなく、それでいてプラス材料はそれなりに多いというカタチで、上位評価となった1頭である。現在のマイル路線における主役級であるのは言うまでもなく、昨年も2着に好走している実績馬。ルメール騎手の継続騎乗もプラスと、上位に食い込む確率がもっとも高いのはこの馬だろう。

 三番手評価にエアスピネル。武豊騎手が負傷した影響で、鞍上が急遽ムーア騎手に乗り替わる予定となった。しかし、このレースでの外国人騎手への乗り替わりは必ずしもプラス材料ではなく、ちょっと扱いの難しい側面がありそうだ。とはいえ、富士Sでイスラボニータを圧倒したその能力は侮れないもの。展開も向きそうなイメージである。

 四番手評価にレッドファルクス。スプリンターではあるが、距離延長にも対応できるのは安田記念の3着からも明らか。初コースとなるが、東京芝1600mよりは京都芝1600m外のほうが向きそうな印象である。こちらもC.デムーロ騎手への乗り替わりを少し割り引いているが、決め脚の鋭さはここでも屈指。軽くは扱えない。

 以下はウインガニオン、クルーガー、ムーンクレスト、マルターズアポジー、サトノアラジンという評価の序列。ただし、枠番次第でこのあたりは大幅に入れ替わる。「5番人気以内の内枠」という特注データ条件に該当した馬は、かなり力を入れて狙いたいところ。上位拮抗の一戦で、チョイ荒れ狙いが面白そう──というのが、現段階でのイメージだ。


■総論×各論・先週の馬券回顧




京都11レース エリザベス女王杯(G1)
1着 05モズカッチャン
2着 04クロコスミア
3着 10ミッキークイーン

ド貧乏なのにさらに金欠(#^ω^)ビキビキ

「No.1予想」では▲◎で馬単1万5890円を的中しているというのに、当コラムの勝負馬券は相変わらずスカタン。土曜日から延々と絶不調だったというのに、日曜日メインになると神騎乗を炸裂させるM.デムーロ騎手の凄さを、改めて実感した次第デスヨ。あの勝負強さを、少しだけでいいから分けてほしい(切実)。

※コース&血統データは2012年以降、レースデータは2007年以降が集計対象です。
※枠番値は、当該枠番における「平均人気-平均着順」を表すもの。プラスの数字が大きければ大きいほど、人気よりも上の着順に来ていることになります。

【予想】小林誠の勝負予想は『ウマい馬券』でチェック!

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競馬業界よろず請負人。1974年三重県生まれ。これまで裏方的な仕事に数多く関わってきたが、さすがに限界を感じて、最近は表舞台への進出を画策中。ライターとして『サラブレ』『UMAJIN』などに寄稿するほか、須田鷹雄監修の『POGの達人』には編集デスクとして参加。2005年に前半3ハロンタイムに特化した予想メソッドを発表し、それを用いた予想をnetkeibaにて公開している。コーヒー党、無類の猫好き。

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