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マイルCSを優勝したM.デムーロ騎手&ジャパンCに臨む武豊騎手に直撃!

  • 2017年11月21日(火) 18時00分
キタサンブラック

ジャパンカップ連覇に臨むキタサンブラック




武豊騎手「完璧な状態で騎乗できるようにしておきます」


 先週のマイルチャンピオンシップ、本命はエアスピネルと決めて京都競馬場へ出かけましたが寒かったですね。しかしその寒さをぶっ飛ばしてくれたのがM.デムーロ騎手。

 エアスピネルは昨年までは、1600mから3000mまでと幅広い距離を走っていましたが、今年は、札幌記念以外はマイル戦を走りいい結果を出し順調に仕上がってきたのでここが勝負!強いエアスピネルが見られる! と1点勝負。

 ゴール前、イヤー!! ミルコが飛んできた! ミルコ騎手か? ムーア騎手か? …と接戦でしたが、勝ったのはペルシアンナイト。勝利を確信していたエアスピネルは鼻差20cmに悔しさを飲み込みました。待望のGI初制覇を狙って取材をしてきたのでとっても残念です。

 大外枠、最後方から徐々に内に潜り込み距離ロスを少なくする。これがミルコマジックなんですよね。1600mだから距離ロスは確かに避けたいでしょう。とっても勇気のいる手綱さばきだと思いました。ミルコの年間GI6勝は凄い記録ですね。他には確か豊騎手と安藤勝己騎手、池添騎手、岩田騎手だけだったような記憶が…?

 ペルシアンナイト号も振り返れば皐月賞2着馬ですから強い脚を持っていますよね。池江厩舎の完勝に乾杯!おめでとうございます。

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 レース後、M.デムーロ騎手に直撃インタビューお願いしました。

常石 今日は、どんなイメージでレースに臨みましたか?

ミルコ スタートも良かったしいい手応えで走ってくれました。大外枠だったから少し不安はありましたが上手く内へ入ることができ、ここからが勝負だと思いました。

 初めてこの馬に乗ったときからずっといい動きをすると思ってました。すごく速い脚をもってるからきっとGIを取れる馬だと思ってました。3歳でとることができてよかったです。嬉しいです。とってもありがたいです。まだまだ成長しているのでこれからが楽しみです。

キタサンブラック

「初めてこの馬に乗ったときからずっといい動きをすると思ってました」


 今日は、イタリアから両親が応援に来てくれて、その前で勝つことができて嬉しかったです。お父さんお母さんの応援の力もありました!

M.デムーロ

競馬場に駆けつけていたデムーロ騎手とルメール騎手のファミリー


常石 ご両親の前での勝利は、大きいですよね。目を細めて笑うミルコの顔が印象的でした。

 次は池江調教師のコメントです。

池江 この馬は破格の素質を持っていると思います。追い切りがだんだん良く変わってきているのがわかりました。走る気合いを出して食欲も出てきていました。大外枠で後方からの競馬だったので、道中はヒヤヒヤしながら見ていました。これからは幅広くどんな競馬でも対応できると思います。

 サトノアラジンとペルシアンナイトで春・秋のマイルGI勝利して、良い結果を出すことができました。3歳でGIを勝つことができてこれからが楽しみです。

 ミルコは前の方に鞍を置いて乗るのが好きなんですが、うちの厩舎は後ろ目に置くので、これを嫌がって直前に前の方に鞍を置きなおしていました。自分のスタイルを作って、良いことは全てやってくれた結果だと思います。

 母のオリエントチャーム、その兄のゴールドアリュールは元調教師の父が管理していたので、ゆかりの血統である一族でGIをとれて感慨深いです。まだまだ成長過程なのでいろんな選択肢はあります。しっかり大事に育てていきたいと思います。これからも応援してください。

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 エアスピネル号管理の笹田調教師に最終追い切りのエピソードもお聞きし、1点勝負と決め込んでいたんですがねー。

笹田 豊君が調教中に落馬したので大事をとってもらいライアン・ムーア騎手に乗り替わりとなりました。デビュー戦を除くと全て乗っていたので残念です。今日は調教に来て乗れると言ってくれたんだけどね。最終追い切りは手綱を強くしごく攻めの調教。持ち前のピッチ走法で僚馬に1馬身半先着。時計は、4ハロン51.3-37.5-24.7-12.3と良い動きだったよ。ベストの形で持っていくよ。つねちゃん応援してや。

笹田調教師

“ベストの形で持っていく”と語っていた笹田調教師


常石 この馬好きなんですよ。GIを取れる素質のある馬ですよね。ずっと応援しています。

 エアスピネルは坂路での追い切りだったのでTVで見ていましたが、脚運びが良くて軽快な動きをしていましたね。好調ぶりがよくわかりました。

 マイル路線にしてから重賞2勝といい結果が出ているので楽しみです。京都のターフで待ってます。

笹田 そうかよろしくな!

常石 ありがとうございます。いつも気にかけてくれて丁寧に教えていただけているので助かっています。

 終わってみればいろんな思いがつまったマイルCSでした。やっぱり競馬はいいわぁ。

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 さて次に思いをきりかえて、いよいよジャパンカップデーですよ。天皇賞が終わってから清水厩舎へ行って、キタサンブラックの話をたっぷり聞いてきました(11/3取材)。

辻田 天皇賞はすごいレースをしてくれましたね。改めて豊騎手の強さとブラックの強さを確信しました。ゲートまでついて行ったので、レースはモニターでしか観戦できなく残念でした。帰ってからは何度も見ましたね。

 スタート出遅れたときは、あー、やってしまったか? と思いました。中団を進むと何にもロスなく回ってゴールまで走っていました。さすが豊騎手だと思いました。ラストまでしっかり走ってブラックらしいと思いました。

 秋初戦を勝つことができ安心しました。宝塚記念は馬に気合が入ってなかったですね。ゲートではじっとしていられないところがあるので、後ろへ下がったときにゲートが開いてしまいましたが、この馬のことがすべてわかる豊騎手だからこそできた乗り方だったと思います。

常石 やっぱり不安だったでしょう。そこは豊さんですよね。見ていて安心しましたね。

辻田 立ち回りがスムーズに動けていて、いいレースを見たなって感じましたね。

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 以下、11/15取材です。

常石 ブラックの様子はどうですか?レースが近いことがわかってるのか、ずっと馬房で後向きに立って集中しているように思いました。いつもだったらリラックスして、前にいても鼻でつついてくれたり愛嬌がいいんですがね。

辻田 集中していますね。賢い馬なのでレースが近いこともよくわかっています。レース後の疲れもなく順調にきています。無事に出走させられるのが何よりです。

キタサンブラック

賢い馬なのでレースが近いこともよくわかっています


 武さんも怪我されたと聞き少し驚きましたが、大事に至らなかったそうでよかったです。ここまで来たら最後まで武騎手に乗っていただきたいですよね。

常石 豊さんにお聞きしましたが、ブラックには「乗ります」と断言してくれましたよ。

辻田 よかったです。いつも元気に走ってくれるので嬉しいです。あと2戦無事に出走させられるようにケアをしていきます。飼い葉食いも良いですし、普段と変わりませんよ。輸送も大丈夫です。どこの競馬場でも結果を出しているのでブラックに任せます。

常石 話しながら馬房の掃除をしていてもブラックは平気でじっとしています。今日の僕のことが気に入らないのかな? ずっとお尻を向けて立ってますね(笑)。

辻田 結構頑固なところもあるんですね。どっしり落ち着いて自分をしっかり持っている馬ですね。後は武騎手に安心して任せます。

常石 引退するとなると、ちょっと寂しくなりますね。

辻田 いえいえそんなことないですよ。ブラックの勇姿が見られるのは最高です。最高の馬と出会えたことが幸せです。また来てくださいね。よろしくお願いします。

常石 よろしくお願いします。毎日でもブラックの顔を見に来たいですよ(爆笑)。

辻田 毎日は、困るかな(爆笑)。では僕の仕事手伝ってもらうかな?

常石 はいわかりました。作業の邪魔をしないのが僕の仕事でした。いつも快く話してくれるので助かります。ありがとうございました。

 今週もブラックの走りに注目です。豊騎手からのコメントです

常石 豊さん怪我の方は大丈夫ですか?

武豊 びっくりしましたね。中々鐙が取れなくて焦ったけど手綱を離さなかったのが良かったです。靭帯が少し痛かったけど大したことにならなくてよかった。週末まではもっとリハビリをしっかりして、完璧な状態で騎乗できるようにしておきます。騎手は頼まれないと乗れないからね。頼まれるように頑張ります。

武豊

完璧な状態で騎乗できるようにしておきます


常石 完璧な状態を目指す、というのは凄いと思いました。

武豊 そうでなくては、馬にも馬主にもファンにも失礼でしょう。前を向いてしっかり行きます。

常石 ありがとうございます。話しながら僕がお願いしたサインを書いてくれました。改めてプロ意識をかんじました。

 清水調教師も「秋2戦目に向かって上詰みしかないです。今日の追切(Cウッドで6ハロン80.7-11.9)もしっかりできました、いい状態でレースを迎えられます」と、にこやかスマイルを見ることができました。黒岩騎手は「先頭立った後は少し気を抜きましたが、調教ではいつものこと」とのことです。

 さあさあ競馬から目が離せなくなってきましたよ。寒さも吹っ飛んでしまいそうなブラックの走りに注目しましょう。

 つねかつこと常石勝義でした。

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常石勝義
1977年8月2日生まれ、大阪府出身。96年3月にJRAで騎手デビュー。「花の12期生」福永祐一、和田竜二らが同期。同月10日タニノレセプションで初勝利を挙げ、デビュー5か月で12勝をマーク。しかし同年8月の落馬事故で意識不明に。その後奇跡的な回復で復帰し、03年には中山GJでGI制覇(ビッグテースト)。 04年8月28日の豊国JS(小倉)で再び落馬。復帰を目指してリハビリを行っていたが、07年2月28日付で引退。現在は栗東トレセンを中心に取材活動を行っているほか、えふえむ草津(785MHz)の『常石勝義のお馬塾』(毎週金曜日17:30〜)に出演中。

赤見千尋
1978年2月2日生まれ、群馬県出身。98年10月に公営高崎競馬の騎手としてデビュー。以来、高崎競馬廃止の05年1月まで騎乗を続けた。通算成績は2033戦91勝。引退後は、グリーンチャンネル「トレセンTIME」の美浦リポーターを担当したほか、KBS京都「競馬展望プラス」MC、秋田書店「プレイコミックシリーズ」の「優駿の門・ASUMI」の原作を手掛けるなど幅広く活躍中。

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